タジキスタン、観光客数が前年比31%増 中央アジア観光地としての注目度高まる

タジキスタン

中央アジアの内陸国タジキスタンで、外国人観光客の訪問が急増している。2025年上半期の統計によれば、同国を訪れた外国人はおよそ76万人に達し、前年同期比で31%の増加を記録した。訪問者の大半はCIS(独立国家共同体)諸国からで、ウズベキスタンやロシアからの旅行者が目立つ。

特にウズベキスタンからの訪問者は全体の64%以上を占めており、隣国同士の地理的な近さや文化的親和性が背景にあるとみられる。ロシアからも全体の24%近くを占め、依然として重要な送客国となっている。

今回の伸びの背景には、ビザ制度の柔軟化や交通インフラの整備がある。タジキスタン政府は近年、観光を成長産業として位置づけ、空港や幹線道路の整備、観光地へのアクセス向上を進めてきた。特に、ドゥシャンベ国際空港と周辺都市を結ぶ直行便が増えたことで、周遊型の訪問がしやすくなったことも影響している。

一方で、観光需要の急増に対してインフラやサービスの整備が追いついていないとの指摘もある。地方部では宿泊施設の選択肢が限られており、また都市間交通の利便性や通信環境に課題が残っている。政府としても、今後はこれらの改善に注力する方針だ。

タジキスタンには、パミール高原やイスカンダルクル湖、ファン山脈などの自然景観、そして古代シルクロード都市・パンジケントなど、観光資源が豊富にある。文化・自然・冒険といった多様な旅行スタイルに対応できる点が、訪問者にとっての魅力となっている。

今後、タジキスタンがCIS圏以外の観光客をどれだけ取り込めるかが注目されている。特に欧州やアジア太平洋地域からの誘致を強化することで、観光産業の多角化と国際化が進む可能性がある。

出典:Daryo.uz

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